KANO ~1931海の向こうの甲子園〜
『KANO ~1931海の向こうの甲子園〜』★★★(6/10点)
監督:マー・ジーシアン
冗長。それに尽きる。甲子園行くまでを描くわけでもないのに、そこまでに時間をかけすぎ。予選ですらない試合も3年生が引退だから、という後出しの理由でめちゃくちゃ尺とる。そこから予選も時間かけるから、甲子園行ったぞ、俺たちの活躍はこれからだエンドかと思った。そしたら普通に甲子園も同じ時間のかけ方で消化するから、まあ長い。そりゃ3時間にもなるわ。もっとメリハリをつけた方がいい。
一方で、長く時間をとることのメリットもあった。その一つが真摯さ、ひたむきさが伝わること。台湾の俳優ですらない少年達をオーディションで連れてきて作った作品らしく、全般的に素人っぽい。何より日本語が下手すぎて字幕がほしいほど。ただ、その画面を永瀬正敏が締める。俳優のいろはだけでなく野球までも教えたという彼のかける想いが伝わってくる。少年達も同様で、主人公のツァオ・ヨウニンの演技は徐々に上手くなっていき、最後の投球シーンは鬼気迫るものがある。ただやはり3時間超えはいただけない。題材的にも老世代が多いであろうし、もう少しコンパクトにまとめるべきだった。